外反母趾の治療は手術しかない?

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74才の女性のKさんの足です。この方の外反母趾もかなり重度です。右第1趾のMP関節の皮膚を損傷している状態(皮膚びらん)で、令和8年6月15日に受診されました。

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足の骨の解剖を示します。第1中足骨の中央部と第1基節骨の中央部に骨軸をひいて2本の線のなす角を外反角といいますが、20度以上を外反母趾とします。外反母趾であっても痛みを伴わなければ治療を検討する必要性はありません。外反母趾でも痛がっていない人はたくさんいます。

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Kさんの右足の外反角は45度で、重度の外反母趾といえます。左母趾の外反角は23度で軽度の外反母趾といえます。Kさんは令和7年1月18日にも受診していて外反母趾の相談を受けていますが、この時は痛みを伴っていなかったので、治療は希望されていませんでした。外反角も37度で令和8年6月時点では母趾の外反は悪化していると評価されます。

Kさんは令和8年6月の受診時には歩行困難の痛みを訴えており、積極的な治療を希望されての受診でしたが、自分なりにインターネット等で調べたのでしょう、「外反母趾の治療は手術しかないみたいだから、手術して治したい。」との意向でした。さらにKさんは「7月31日から8月2日まで静岡・山梨に旅行するので、それまでに手術して痛くなく旅行したい。」と言うので驚きました。

手術は総合病院に入院して行われ、骨格の構造を変える手術となります。まず、総合病院の受診予約を取るのに1~2週間はかかります。手術となってもその予定日は1~2週間先でしょう。手術は骨を切断して骨の向きを変え、再度骨を接合するわけですが、骨がしっかりつくのには2か月ぐらいはかかりますので、6週間後には治して旅行に行きたいなんて言われても、世の中あなたを中心に回っていませんとしか答えられません。

患者さんの足のサイズは23㎝だそうですが、外反母趾の痛みを軽減するために24㎝の靴を履くとゆるくて、足指先が靴にあたって痛くなるということで、23㎝でできるだけ幅の広い靴を選んで履いているけれど、それでも痛いということでした。

部位別の診療例の提示の足の項目で“空前絶後の外反母趾・私に何ができるか”という記事があります。

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私はインソールEという中敷きで対応して、ほどほどの効果がえられ患者さんに満足していただけたので、この患者さんにも同じ対応をしてみることにしました。まず足幅を確保しなければいけませんから、医院で準備している24㎝の靴(スニーカー)を適応しています。

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靴が緩いと足がずれて足先が痛くなるというので、インソールEのつま先にはエラストンというクッションで足がずれないようにパッディングをしています。そして外反母趾の突出部の前後にもパッディングを作成して皮膚びらん部が靴の壁にあたらないようにしました。そして靴を履いてもらうと、「痛くない」ということでした。

痛みと皮膚びらん(皮膚の炎症)を軽減するためにロキソニンとプレドニゾロン2.5㎎錠を1日3回で4日間、同じ処方を1日2回にして3日間服用してもらい1週間後に再診予定としました。

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6月23日8日後には24㎝のゆったりしたスニーカーを履いて受診され、左足の状態は皮膚の発赤とびらんは改善しています。痛みはVAS6(けっこう痛い)がVAS0~1(0は痛みなし、2がわずかに痛い)に軽減しており、患者さんは旅行も大丈夫そうと言っていました。念のため痛みが再発した沖に服用する処方を行いました。