15才男性 高校1年生のバドミントン部の男子です。
X年6月12日部活の練習で両膝痛が発症し、他整形外科受診し、関節炎と診断されたそうです。
練習を休んでいたかどうかは未確認でしたが、7月10日まで痛みが軽減してきていたそうですが、
同日雨降りで道路のグレーチング(鉄の側溝の蓋)で左足が滑り、右脚をひねったら右脚に体重をかけられなくなってしまって(荷重不能となって)当院を受診されました。
初診時のレントゲン像です。赤矢印で右大腿骨に仮骨(骨折を補強する新生骨)と薄い骨折線が確認できます。
初診時(膝痛発症後4.5週後)のMRI画像です。
このMRI検査条件では本来骨は白い色調となるはずですが、右大腿骨だけでなく左大腿骨も膝上で黒い色調となっています。これは骨が損傷している所見となります。赤矢印は骨折線となります。
他整形外科のレントゲン画像による診断では疲労骨折は診断されず、関節炎と診断された患者さんは痛みに合わせて練習を控え、薬を飲んでいれば治るというようなイメージを持っていたのではないかと想像されます。
結果、転倒や打撲はないのに、疲労骨折は不全骨折となり、治療は大きく長引くことになりました。
患者さんは松葉杖をついて右脚を非荷重(脚をつかないようにする)を2週維持しました。かと言って、左大腿骨も疲労骨折を起こしているのですから、多大な負担をかけることにもリスクがありました。
当院受診から、8週後レントゲン像で仮骨は成熟し、練習を開始しています。