ながさわ整形外科 医療法人ピーチパイ

同じ腰の椎間板に起因する痛みなのに、痛む部位が全く違うという現象

70才の男性で農家の方です。

平成25年4月田んぼの作業をしていて、4月12日左腰~臀部痛が発症したそうです。

4月15日夜に症状は増悪し、同日夜ほとんど眠れず、

4月16日に当院を受診されました。

患者さんが痛がっていた部位は下図のようでした。

平成25年の腰痛.jpg

腰椎のMRI検査では、L4-5で脊髄の圧迫の所見が認められ、そこで障害されている左L5神経根にブロックを行い、症状の軽減がえられました。

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 それから、3年後の73才時の平成28年4月1日午前中に買い物に出かけ、車から降りた時に左ふくらはぎの痛みが発症し、歩行困難となって即日当院を受診されました。

その時の痛みの部位は下図のようです。

平成28年の腓腹部痛.jpg

屋内歩行も困難な状態で、明日法事があるとのことでした。

腰に起因する左坐骨神経痛と判断し、腰椎MRI検査ではL4-5の脊髄の圧迫が平成25年4月の時より悪化していました。やはり左L5神経根ブロックを施行して、左のふくらはぎ痛は軽減し、翌日の法事も問題がなかったと後日教えてもらいました。

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この患者さんは同じL4-5での脊髄の圧迫による症状であったわけですが、痛みの部位は“腰~左臀部”と“左ふくらはぎ”と全く違う部位でした。

脚(下肢)の痛みであっても腰に起因することはしばしばあります。